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 九条の会東京連絡会はこの10月24日で満1歳を迎えました。この1年間の経験をふまえてさらにいっそう改憲反対の世論と運動を発 展させようと、発足1周年のつどい「ひとつめ」を10月24日、「ふたつめ」を11月13日に開催しました。



九条の会東京連絡会
発足1周年のつどい・ふたつめ

と き 11月13日(金)18:00開場、18:30〜20:40
ところ 豊島公会堂(みらい座いけぶくろ)
内 容
トーク 「どうする日本と東アジア 〜北朝鮮と核密約と憲法 九条〜」
    蓮池透さん(北朝鮮による拉致被害者家族連絡会前事務局長)
    桂 敬一さん(元東京大学教授、マスコミ研究者)
う た きたがわ・てつさん



蓮池透さん 
講演「拉致問題解決の道」20091113-1


 「お前のとこは解決したのだから、黙ってろ。よけいなお世話」というプレッシャーを受けていると前置きして 蓮池さんは静かに 話はじめた。 オバマ大統領の来日があって、警視庁は厳しい警備体制をとっていた。それでも、小雨降る豊島公会堂前を右翼の宣伝カーが2回通過したが、妨害行為はなかっ た。1階ホールはほぼ満席であった。
 5人の拉致被害者が祖国の地を踏み家族との再会を果たしたのは2002年10月、実に24年の歳月が経っていた。拘束されていた北朝鮮での暮らしはどう だったのか、この疑問に蓮池さんは次のように話した。「ある晩、志村さん夫妻と弟たちは集まって話し合った。そして悩んでいないでこの国で生きることを考 えよう。そのためには日本に帰るのをあきらめようと誓い合った」
 「兄貴なあ、日本に帰りてえとか、早く両親の顔見たいとか考えたら死ぬしかねえんだよな、あの国は」という薫さんの言葉が過酷な生活環境のすべてを物 語っているように思える。人権を奪われた被害者はこの手段以外に北朝鮮で生き抜く道がなかったのだ。拉致という犯罪の恐ろしさの本質はここにあるのではな いか。悲しさと怒りで胸が締め付けられた。最近、蓮池さんは拉致問題の解決のためには北朝鮮に対して制裁を強化するよりも対話とか交渉をやるべきではない かと発言している。そのため家族会などから変節しただの裏切り者だの北のスパイだとか言われている。この疑問に答えては蓮池さんは次のようなエピソードを 披露した。某大手新聞社の編集長からインタビューを受けたが、インタビューとは名ばかりで、編集長が3分の2はしゃべり「経済制裁して、もっと強めて、ま あ根競べなんだ。とにかく北朝鮮は弱ってるから。だから我慢しろよ」と言うんですね。
 そして最後に編集長は「あなたは昔あんな強硬なこと言ったんじゃないか。何故変わったんだ」と切り出してこのインタビューの目的がなんであったかあきら かになった。蓮池さんは「確かに昔、非常に軽率だったといまでは思っておりますけれども、改憲派の集会に連れて行かれて何かしゃべれって言われて、で、当 時は憲法九条が拉致問題の解決を阻んでいるんじゃないかみたいな、相当馬鹿なことを言ったなと、いま思っておりますけれども。非常に反省しております」と 率直に語った。拉致問題の解決を遅らせているはこのような恥知らずなジャーナリストの姿勢ではないか。

 さらに、蓮池さんは「帰国した被害者に対して日本政府は「拉致被害者支援法」に基づいて毎月支援金を支払っているが来年3月には5年の期限が切れる。こ れから帰ってくる人のためにも、帰ってくればその人の生活は日本政府が一生保障するぐらいの施策はとって欲しい」と訴えて理解を求めた。

 続いて、民主党政権の対北朝鮮外交について、次のように言及した。「鳩山由紀夫首相は、9月24日の国連総会の一般討論演説で(1)北朝鮮による核実験 とミサイルに対して国際社会の全体の平和と安全に対する脅威であって、断固として認められない。北朝鮮が国連決議を完全に実施すること、そして国際社会が 諸決議を履行することが重要であると。日本政府は六者協議を通じて朝鮮半島の非核化を実現する為に努力を続ける。(2)日朝関係については「日朝ピョンヤ ン宣言」に則り、拉致・核・ミサイルといった諸懸案を包括的に解決して、不幸な過去を誠意をもって清算して国交正常化を図る。(3)特に拉致問題について は、昨年合意した通り速やかに全面的な調査を開始する等の北朝鮮による前向きな行動が、日朝関係の進展の糸口となる。北朝鮮の前向きな姿勢があれば、日本 としても前向きに対応する用意がある」と述べた。
 蓮池さんは「この3点の内容については同感だが、諸懸案を包括的に解決するというように発言しているがご都合主義にしか聞こえない。拉致問題というの は、日朝関係、拉致について単独で戦略を立てるべきだと思う。政権交代は対北朝鮮政策についていままでとは違った方向に大きく舵を切るチャンスだと、考え ている。ところが2006年、制裁が発動された。闇雲な経済制裁は、北朝鮮の感情を悪化させて彼らの結束を固めるだけで、決して被害者の救出にはあまりつ ながらないのではないか」と疑念を述べ、拉致問題の経過を振り返った。

 「2002年9月14日以降、日朝間で四回拉致問題の政治決着が企てられて、全く失敗に終る、それで日朝関係はもつれてしまった。
 第一は、2002年9月17日小泉総理の訪朝。24年間放置してきた拉致問題を9月17日、一日で終りにしようとした。金正日総書記が拉致を認めて謝罪 すれば、国交正常化出来ると、そういう水面下での密約があったんではないかと疑っている。私に言わせれば、あの日は謀略の一日であったと思う。
 第二の政治決着は、5人の一時帰国という決着です。これは何かと言いますと、5人が生きてるってことを国民の皆さんにアピールして、大きく盛り上がった 北批判を、少しでも沈静化させて国交正常化につなげるという政治決着です。5人は完全に日本に帰ってくるのではなく、僅か二週間という短期間の一時帰国 と、とても信じられないような日本への帰り方で、私は帰ってきたとは思わなかった。
 第三は、小泉さんの再訪朝です。再訪朝で五人の家族が日本に来れば、拉致問題も解決というか進展を国民に訴えることが出来て、それで国交正常化に向かえ るだろうという道もあったわけですが、これも失敗に終りました。
 四つ目の政治決着は先ず、外務省は何とか恵さんの死亡を証明しようとして北朝鮮側に迫って、証拠を出せと。そしたら北朝鮮が恵みさんのものとされる遺骨 を 出してきた。ところがその遺骨は偽者であるということが暴露されて、国交正常化どころか日本の世論はますます北批判に拍車がかかった。
 拉致問題を何とか解決しようという四回の政治決着、拙速な国交正常化はことごとく失敗に終りました。北朝鮮は何を怒ってるか、彼らは一体何を望んでいる のか、よく考えて欲しいと思う。そして日本は何をすべきなのか、理性的に戦略的に対処して欲しいと思う。原則論を貫いて制裁ばかりにこだわっていたなら ば、私は身動きがとれなくなってしまう。対話と交渉という路線の模索は必要である。いかなる民族が相手であろうとも、対話と交渉なくして真相の解明と和解 はない。
 そして「日朝ピョンヤン宣言」というものが、唯一の合意事項ですから、それを「てこ」にして動かしていくべきではないかと思っている。
 過去の清算て言いますと、いろんな左右の議論があるが、そういうものには関わりたくないが、「日朝ピョンヤン宣言」にもはっきりうたわれておりますし、 鳩山首相も「村山談話」あるいは「河野談話」を継承するというふうに仰っております。ただ過去の清算と言っても非常に曖昧な言葉で、何をやるのかさっぱり 分からんというところがありますから、過去の清算ていうものをきちんと具体化して、準備して、堂々と行動する姿勢を北朝鮮側に提示して、そして彼らの同時 行動を求めていく、それしかないのではないかというふうに私は考えています」
 そして、最後に蓮池さんは「ピョンヤン宣言に則ってこの八人死亡というのをどうやってひっくり返していくのか、ここに我が国に誕生した鳩山政権の手腕を 問われるというふうに思いますし、何とかして膠着状況を打開してもらいたい、私はそういうふうにただただ思うだけでございます。これからもよろしくお願い いたします」と講演を終えた。参加者からあたたかい拍手が送られた。



桂敬一さん 
講演 「『東アジア共同体』と九条の新しい意義」


 自民党から民主党に政権が変わりました。でもこれが本当の転換になるかどうかは「55年体制」から転換できるかどうかにかかっています。最近話題の八ツ 場ダム、日航危機、派遣労働、医療荒廃などはすべて55年体制の中で作られた問題です。「核密約」問題や普天間基地問題もサンフランシスコ平和条約以来の 日米安保体制の中で出てきた問題です。こうした55年体制を変えてはじめて本当の転換と呼ぶことができるのです。それなのに大手の新聞3紙は、特に安保問 題ではアメリカの意向を汲んで、口を揃えて「変えるな」「変わるな」という社説を書いている。一体どこの国の新聞だと言いたくなる状況です。20091113-2
 そのアメリカは、9.11以来対テロ戦争を掲げて、「不安定の弧」と呼ばれる地域(北朝鮮〜アフガン〜中東)に即戦力を送り込むために日本の基地再編を 進めてきました。普天間基地の名護移転計画も、べつに沖縄県民のためではなく、最新鋭の基地が欲しいためにやっているにすぎません。そんなアメリカから日 本は自立できておらず、アメリカの「虎の威」を借りて、大国ぶってアジアを軽視してきた。それが55年体制の一番悪いところです。
 アジアの国々はそんな日本が変わってくれることを望んでいます。そういう意味で鳩山の「東アジア共同体」に期待が寄せられています。でも、ここでも大手 新聞は鳩山に対して「反米だと受け取られないようアメリカを招き入れろ」と主張しています。東アジア共同体についてはまずは東アジアの国々が中心になって 考えるのが筋です。北朝鮮に対しても敵視政策をやめて、むしろ日朝の文化交流を広げることを考えた方がいい。「北朝鮮のミサイルの脅威」を言う人がいる が、よく考えてほしい。北朝鮮の方がよっぽど日本に脅威を感じています。むしろ北朝鮮の警戒心を解くようなシグナルを送ることこそ東アジアの平和にとって 大事なことです。
 東アジア共同体はEUの真似ではうまくいかないと思います。ヨーロッパには宗教・文化・歴史の共通性という基盤があるが、アジアにはそういう前提がない からです。むしろ多民族・多文化であることを前提に、ゆるやかにつながるやり方が必要です。でもアジアの「やさしさ」を生かせばそれができるはず。例え ば、北方四島や竹島などの問題も国境にこだわるのはやめてコモンズ(入会地)にすればいいんじゃないかと思う。日本がそういう新しい発想のイニシアをとる 方向に変化してほしいと思います。
 オバマや鳩山の新政権は今後どうなるかまだわからない面があります。変化せざるを得ないという現実もあるが、他方で変化させまいとする古い体制側からの 妨害もあります。そうした妨害を除去して新政権の変化を助けなければいけない。新政権を助けるために市民もどんどん意見を言っていかなければいけない。オ バマがノーベル平和賞を受賞した際に「世界がオバマを助けなければいけない」という説明がありましたが、あの意見に私は賛成です。核問題ではオバマの提起 に民主党がもっと明確な戦略で応えるべきです。それは唯一の被爆国の道義的責任でもある。「どんなときも核兵器は使わない」という国際条約を結ぼうと提案 するぐらいのことをしてほしい。こういう憲法九条を持つ国だからこその発想を持ってほしい。それが九条を活かす道だと思います。
 最後に一言。「坂の上の雲」の歴史観は危険です。たぶらかされないよう注意していきましょう。



う た きたがわ・てつさん
 
20091113-3

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